FLASHアニメ。

今回は、以前にも話題にあったかもしれませんが、日記では特集はしていなかったフラッシュアニメ(FLASH、以下:フラッシュ)についてです。
フラッシュ…YouTubeニコニコ動画が誕生する以前に流行ったメディアで、皆さんも「フラッシュ(FLASH)」と聞くと懐かしいと思われる方もいるでしょう。
世代的には、自分も皆さんも大体小学生から中学生の頃でしたよね。
皆さんが見たフラッシュの中で、記憶に残っているフラッシュサイトやフラッシュはありますか?

自分では、結構思い出がありますが、その中で現在でも印象に残っているものを挙げておきます。


【サイト別】
■6419系
ご存知「ドラえもん」のパロディキャラクター「オラエモン」達が活躍するフラッシュ。
一時期は、版権元の小学館プロダクションから通報されたなんてこともあり、それをもネタにもしていました。
オラエモンやドラミちゃんの絵描き歌、「空を自由に飛びたいな〜♪ハイ、helicopter。乗れよ」など、くだらないネタで大爆笑していたのが懐かしいです。
「オラエモン」以外にも、「吉野家ゴルゴ」などの複合系、オサマ・ビンラディンブッシュ大統領(当時)や同時多発テロ事件などを皮肉ったもの、鈴木宗男議員と「デビルマンのうた」をかけあわせた作品、「ギャバン」や「シャリパン」といった特撮系の作品もありました。
オラサイト→ラサイトなど、サイト名などが転々としていた記憶がありますので、それらを纏めて「6419系」と呼んでいます。「6419」というのは、管理人兼フラッシュ制作者の名前ですね。

■小小系列
確か、中国系だったと記憶しています。
ただの棒人間があんなに格好良く戦闘したり、武器の扱いが上手かったり…。
確か、作品が進んでいくに連れて、棒人間の頭身も低くなっていたと記憶しております。

■砂糖水
サイトを開くと、いきなりザ・ドリフターズの「8時だョ! 全員集合」のオープニングが流れていました。
ペリーの肉声やパンチョ伊東追悼、チェリーボーイやダッチワイフなど、多数の作品を残しましたが、現在はサイトが消滅してしまいましたが、一部の作品はYouTubeで見ることができます。多数の作品がありながらも、自分が記憶に残っているものが少ないのが残念な限りなのですが…。

■別府鉄輪地獄変
青木隆志さん作のフラッシュ。
そのユニークな作風からネット上で人気を博しました。
随所にちりばめられた細か過ぎるネタと、かぼすちゃんのキュートなキャラクターが当時のネット住民たちのハートを鷲掴みにしました。因みに、自分はやはり、ヒロインのかぼすちゃんが大好きでした。
今では「グロ&シュール×萌え」みたいなアニメ作品はプロ・アマ問わず数多く見掛けますが、そういう意味では、本作はかなり時代を先行していたと言えるでしょう。

蛙男商会
現在は「秘密結社 鷹の爪」が有名になっていますが、ここでは、その前の時代の蛙男商会(FROGMAN)を指します。
当時、記念すべきデビュー作である「菅井君と家族石」を猛烈に視聴していた時期でありました。島根県出雲地方に住む無職の黒人ソウルファミリー、菅井家が織りなすそのストーリーがあまりにもシュール過ぎて、毎回抱腹絶倒でした。
このフラッシュで瞬く間に蛙男商会の名が全国に広まり、その後「古墳ギャルのコフィー」、そして「秘密結社 鷹の爪」へと続きます。

■G-STYLE
管理人兼制作者のG-STYLEが子育てに奮闘する育児フラッシュ「3歳シリーズ」が代表作です。これ以前にもフラッシュを何作か発表していて、確か「Flash紅白」にも出ていたと記憶していますが、本格的にブレイクしたのは、この「3歳シリーズ」からだったと思います。
北朝鮮の楽曲をBGMに、コミカルでユーモラスな日常の家庭模様が描かれていて、笑いあり涙ありの心温まるフラッシュとなっています。

こしあん堂
NNSJ(現・たけはらみのる)氏の作品群。
中でも、「しぃのうた」(当時は「名無しさん」名義)や「なつみSTEP!」は有名でした。
「しぃのうた」は、フラッシュの黄金時代を代表する作品の一つです。しぃの、ギコとの出会いから別れまでを「風のノクターン」に乗せてアニメーションで描いたフラッシュで、涙なしにはみられません。BGMの「風のノクターン」は英語版となっていて、原曲よりもビッチが上がっています。
なつみSTEP!」は、「FLASH★BOMB」というフラッシュアニメのイベントにて発表された作品です。一見すると、ほのぼのとした内容なのですが、細かい部分を一つずつ検証していくと恐ろしい設定が背後に隠されていることから、視聴者の間からは、「『なつみSTEP!』は恐い」などと言われています。


【個別(制作サイト元不明のものも含む)】
Nightmare City
み〜やさんが運営しているサイト「miyasuke.net」(旧・Clairvoyance)で制作した作品で、「第3回 F紅白FLASH合戦」参加作品。言わずと知れた名作フラッシュです。
BGMの「Southern Cross」に乗せて、AAキャラクター達が闘うアニメーションとなっているのですが、設定背景などは公式には明確に語られていません。
当時、クオリティの高いアニメーションを駆使した作品と言うことでネットユーザーからの評価も高かったのですが、既存のアニメやバトルシーンなどの引用が多数確認できるとの指摘もあって、ファンと同規模のアンチも湧いてしまいました。
高い人気を誇ったことにより、続編も制作されました。

■高速サザエさん
おそらく「オラエモン」の次に視聴したであろう、「サザエさん」のエンディングのパロディフラッシュです。面白フラッシュの中では、定番中の定番といっていいくらい有名なフラッシュです。
テレビアニメ版「サザエさん」のエンディング「サザエさん一家」のビッチを上げたBGMに載せて、顔が改竄されたサザエさん一家が織りなす流血コメディ(?)です。

■赤い部屋
「あなたは赤い部屋がすきですか?」という、ホラー系フラッシュです。
最初に「×ボタンを押しても消えないポップアップのバナー広告」ということで取り上げられて、最初は「あなたは****すきですか?」とあって文字と音声が隠されているのが、何回もクリックしていくと、最終的には「あなたは赤い部屋がすきですか?」と表示され、押して暫く経つと、被害者と思しき名前が赤地に黒字で一面に書かれた画面が表示された後、その人は殺されてしまう…といった内容。
上記のプロローグが終了した後、本当に実際のバナーが表示され、何度もクリックしても消えず、被害者の名前が羅列する画面になった後、「キャー」という女性の叫び声とともに血まみれの女性と思しき画像が一面に出て、視聴者に実体験させるというトラウマ、ブラクラ系フラッシュです。

のまネコ(→「のまネコ問題」)
O-Zoneの「DiscO-Zone」を空耳化した「恋のマイヤヒ」の元のフラッシュなわけですが、劇中に出てきたモナーモララーやおにぎりなどのAAキャラクターが、エイベックスに目を付けられたおかげで、これらを元にして「のまネコ」として商用キャラクター化させてしまいました。
元からあったモナーなどのキャラクターを「のまネコ」として改竄し、私物化したことによって、我々はエイベックスに対して猛抗議したわけです。中にはエイベックスの社長である松浦勝人さんや社員に対して脅迫文や殺人予告を送った方もいて、広くワイドショーで取り上げられました。
当時(現在も)、エイベックス所属歌手の浜崎あゆみさんのファンなわけでしたが、流石にこれは所属歌手のファンだから擁護…するはずもなく、エイベックス側を批判していましたよ。
楽曲が流行した裏で騒動も収束していなかった当時、中学校の運動会でこの曲が流れた時は、思い出さないようにと耳を塞いでいて、友人から心配された…なんてこともありました。


フラッシュって、いいものなんですが、表現で多かったのがグロや流血系、あと多用されるのが爆発オチでしょうかね。視聴者に向けてのウケ狙いだろうとは思うのですが、あまり多用しすぎるのは良くないと思います。個人的な意見ですが、流血はあまり好きではなかったので…。




FLASHアニメ視聴史 2001-2007】
○2001年…パソコン部に入部。友人の薦めで、部員の間で話題になっていた「オラエモン」を見てから、一気にフラッシュに嵌る。この時期に「高速サザエさん」、「小小系列」など。
○2002年-2004年…「イイ!(・∀・)アクセス」や「電脳空間」などのフラッシュを扱うニュースサイトに訪問するようになる。この時期から2004年まで、広く浅く、大概のフラッシュを視聴するようになる。
○2005年…8月に「のまネコ問題」が勃発。12月に日本にYouTubeが登場。翌2006年を境に、フラッシュアニメの視聴本数が急激に減少し始める。
○2007年6月…ニコニコ動画(当時γ)に会員登録。時代の流れの影響で、6年間もの長きにわたるフラッシュアニメの視聴にピリオドを打つ。


こんなところでしょうか。
動画共有サイトYouTube」の上陸、そして「ニコニコ動画」の登場と大衆化によって、かつての繁栄を極めたフラッシュが急速に下火になっていきました。かつてのニュースサイト達も、時代の流れに呑まれて、ニコニコ動画などの動画紹介サイトと化してしまったところもありました。
そのうち、完全になくなってしまう日も近いのでは