アニメは制作会社ありき!!

なかけん。です。


アニメは、見るに当たってはなんとなく見て判断するのはいけないと思います。
自分は、事前に作品のホームページや新作アニメ情報が掲載されている記事などで、
・ジャンル
・ストーリー
・キャラクター
・キャラクターデザイン
・キャスト
・声優
・制作会社

の7点の要素を見て判断し、第1話を見ています。

「ジャンル」は、自分が好きなジャンルか、もしくは興味が持てそうなジャンルか、作風かどうか判断します。
「ストーリー」は、ざっと読んでみて惹かれるストーリーであるかどうか判断します。
「キャラクター」は、特に女の子のキャラクターの場合は魅力的であるか、可愛いかどうか、性格的に好きそうな感じかどうか判断します。
「キャラクターデザイン」は、自分好みのキャラクターデザインかどうか、原作がある場合は原作と比較して劣化していないかどうか判断します。
「キャスト」は、好きな声優が出ているかどうか見ます。別に好きな声優が出てるアニメでも作風によって見ないものもありますので、声優に関してはそこまであまり重視しません。

また既に原作を読んでいる、プレイしている場合は、アニメ放映中に原作と比較して対等なクオリティになっている、または優れているクオリティだったら視聴を継続して、あまりにも劣化している場合は切ります。

最後に、「制作会社」ですが、一見そこまで重要視しなくてもいいのではと思う方もいるでしょうが、自分は制作会社は重要だと思います。
どこが制作しているかによって、イメージが変わります。
特にTVシリーズの2期が放映される場合、1期と同じ制作会社かどうかで安心するか不安になるかが左右されます。
例えば、「ハヤテのごとく!」や「みなみけ」の場合、各期や劇場版で制作会社が変わっています。その度に、クオリティが左右されているのがわかります。
続編が制作されないアニメでも、どこが制作しているかによって、過去の作品のクオリティと照らし合わせて、安心できるか不安になってしまうかが変わります。
アニメ制作が知っている会社ならいいですが、知らない会社となると全体のクオリティの面で不安になります。(アニメ放映後に有名な制作会社でもクオリティが落ちることは普通にありますが…)

アニメオリジナル作品の場合、特にシリーズ化する場合は普通は特定の制作会社によって制作されることが多いですが、時々「機動戦士ガンダムAGE」に於けるレベルファイブのように、別の会社が制作に関与することによって、別の解釈が加えられてしまい、元来のファンから批判を受けることも多々あります。
もし自分の好きなアニメが別の制作会社で作られたら…例えば、「プリキュア」の新シリーズが急に東映アニメーションではなく、京都アニメーションやシャフトで制作されることになったらどうでしょう。クオリティは東映アニメーション版より高いとは思いますが、独特の演出や解釈が加えられて、それまで「プリキュア」がターゲットとしていた年齢層が離れていく結果になるでしょう。
また、もし自分がそれを見ていたら、多分切っているでしょう。特にもしシャフトになったら、新房昭之監督や劇団イヌカレーがスタッフとなって、日常時は「シャフ度」を多用した特定の角度から人物を描写するシーンが多用され、戦闘時に異空間となる時なんかはイヌカレーの「あの」空間が炸裂するのではないかと思います。まるで、プリキュア版「魔法少女まどか☆マギカ」状態です。(笑)

このように、どこが制作するかによって、そのアニメがどんな作風になるかも変わりますし、アニメのイメージにも直結します…だから、自分の中では制作会社が大事なんですよ。


主な各制作会社のイメージですが…自分ではこんな感じです。
順番は制作会社の設立年順です。

東映アニメーション(東映動画として1956年設立)
代表作:白蛇伝(映画)、ゲゲゲの鬼太郎魔法使いサリーひみつのアッコちゃんマジンガーZキューティーハニーキン肉マン北斗の拳ドラゴンボール聖闘士星矢美少女戦士セーラームーンおジャ魔女どれみデジモンシリーズ、ONE PIECEKanonAIR(映画)、CLANNAD(映画)、プリキュアシリーズ
東映アニメーションは、その名前の通り唯一の映画会社系列のアニメ制作会社であり、現存する日本のアニメ制作会社では最古参の制作会社です。
半世紀以上テレビアニメを制作し続け、当時も現在も変わらず国民的ヒット作を多く生み出している大御所。少年向けアニメ、少女向けアニメ、魔法少女(戦闘美少女)などのジャンルで元祖を打ち立てた作品を多く生み出しました。加えて、スタジオジブリ宮崎駿氏や高畑勲氏、故・金田伊功氏やりんたろう氏、「輪るピンクドラム」の幾原邦彦氏や「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守氏など多くの著名人を輩出しています。
このような経緯に加え、少年誌原作、少女誌原作、オリジナル作品に多い魔法少女(戦闘美少女)、美少女ゲーム原作など非常に多岐に渡るジャンルを制作するアニメ業界のオールラウンダーな制作会社であるため、私の中では一番信頼を置いているアニメ制作会社であり、数あるアニメの中で制作会社に分けても、同社が一番多いです。
ジャンプアニメに入って卒業したのも(ドラゴンボールZボボボーボ・ボーボボ)、女児向けアニメに方針転換したのも(夢のクレヨン王国スイートプリキュア♪)、全てここのアニメのせいです。(笑)
1年のうちにTVシリーズの劇場作品を同時進行しているため、劇場作品の方に多くのスタッフが割かれてしまって、TVシリーズの一部の回でこれまでのクオリティが劣化したり場合によっては作画崩壊する場合もありますが、そこはご愛嬌ということで。(笑)
いや、自然と許せちゃうんですよ。ここまできたら。東映アニメの場合はしょうがないんです。ただ、それが一部の回なら普通なのですが、作品全体に及んでしまうと流石に「……。」ってなりますね。

サンライズ(有限会社サンライズスタジオとして1972年設立)
代表作:ガンダムシリーズシティハンター鎧伝サムライトルーパー魔神英雄伝ワタル勇者シリーズカウボーイビバップ犬夜叉ケロロ軍曹コードギアス 反逆のルルーシュ銀魂宇宙をかける少女
ケロロ銀魂をやっていても、ガンダムの影響から、ロボットアニメ中心企業というイメージが未だに根強いです。(因みに、サンライズには「ガンダム事業部」という専門の事業部が存在します。)
作画のクオリティとしては、マッドハウス同様比較的高いイメージがあります。あまりサンライズ作品を見ていないので、そこまで断言できませんが…。
イメージからの意見になりますが、サンライズは、先述した東映アニメーション同様玩具会社のバンダイとの繋がりが深いので、マーチャンダイジング手法を用いるアニメには強い会社なのではないでしょうか。

マッドハウス(マッド・ハウスとして1972年設立)
代表作:カードキャプターさくらギャラクシーエンジェルデ・ジ・キャラットにょ魍魎の匣電脳コイルBLACK LAGOONおとぎ銃士 赤ずきんこばと。学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
マッドハウスは、これまでも「D・N・A2 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」や「あずきちゃん」などの作品で元請制作を行ってきましたが、マッドハウスの名を一躍有名にしたのは何と言っても「カードキャプターさくら」で、原作を見事に昇華させた非常に高いクオリティの脚本、作画、演出、音楽で魅了された方も多いでしょう。私も当時小学2年生〜4年生までリアルタイム視聴していましたが、当時は面白くて見ていた作品も、改めて見直すとどれも非常に凝った作りで名作だと感じますね。
故・今敏氏や川尻善昭氏など世界的に評価の高いアニメ監督を擁して以降、「アニマトリックス」などの芸術性の高い作品から、「ギャラクシーエンジェル」などのギャグやコメディタッチな娯楽性の高い作品まで、幅広いジャンルの作品を扱うようになりました。
前述したサンライズ同様、作品全体で高い作画クオリティを保っていると思うので、割と安心できる制作会社なのかなと思います。

シャフト(1975年設立)
代表作:月詠 -MOON PHASE-ぱにぽにだっしゅ!、ひだまりスケッチさよなら絶望先生まりあ†ほりっく化物語ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド荒川アンダー ザ ブリッジそれでも町は廻っている魔法少女まどか☆マギカ電波女と青春男
シャフトは、後述する京都アニメーションと同じく近年になって注目された制作会社です。
シャフト作品は、特に新房昭之氏や大沼心氏が監督する作品に於いて、「実写を挿入する」「唐突にオブジェクトを挿入する」「原色で塗り分ける」「特定の角度(シャフ度)から人物等を映す」などといった演出に特徴のある作品が多く、原作からの忠実度もさることながら、演出の斬新性も高く評価されました。
獄・さよなら絶望先生」から作家ユニットの劇団イヌカレーが参加して以降、イヌカレーが創りだす独特の世界観も相俟って、作品のみならず劇団の方も注目を集めるようになりました。
私は、シャフトが持つ独特の演出が苦手だったために、これまで作品を殆ど見てこなかった(見ても途中で切っていた)のですが、今年始めに放映された「魔法少女まどか☆マギカ」を見て衝撃を受け、東日本大震災を受けて放送休止になっていた期間中に、「ぱにぽにだっしゅ!」「ひだまりスケッチ」「まりあ†ほりっく」「化物語」を後年視聴して、シャフトを見直しました。
特徴的な演出は好みが分かれますが、時には「化物語」のように「カードキャプターさくら」と同じく原作を昇華させる技術はあるので、そこは高く評価してもいいでしょう。

京都アニメーション(1981年設立)
代表作:フルメタル・パニック?ふもっふAIRKanon涼宮ハルヒの憂鬱らき☆すたCLANNAD空を見上げる少女の瞳に映る世界けいおん!/けいおん!!、日常
京都アニメーションも、先述したシャフト同様近年になって注目された制作会社です。
京都アニメーションの場合、原作がある作品では原作に忠実なシナリオにした上で、時系列シャッフルをしたり、ファンを驚かせる斬新な演出が加えられています。演出に関しては、シャフトのように癖のあるものではないので、前々から好感を持って見ています。
1年に於ける制作本数は少ないですが、その代わりクオリティを大変重視していて、質の高い映像や作画、作品が放映されるごとにサプライズ性のある話題づくりがされていて、作品のオープニングやエンディングやキャラクターソングなどがオリコンで上位に入ることもしばしばです。
また、東映アニメーションが制作していたKey原作の美少女ゲームKanon」「AIR」「CLANNAD」ですが、東映アニメーション版は何れも独自の見方や解釈が加えられた内容になっていますが、京都アニメーションだと原作に非常に忠実な点がファンに高く評価されています。ただ、私はどちらの制作会社も好きで、東映アニメーション版も京都アニメーション版も対等に評価していますが…。
作品によってはヒットしないものもありますが、大抵は安心できる制作会社というか、原作がある場合はここが制作だと原作超えを期待できるでしょう。

アニメ・インターナショナルカンパニー[AIC](1982年設立)
代表作:魔法少女プリティサミー、あぁっ女神さまっ、天地無用!瀬戸の花嫁バンブーブレードご愁傷さま二ノ宮くん迷い猫オーバーラン!、放浪息子そらのおとしものアマガミSSストライクウィッチーズ2俺の妹がこんなに可愛いわけがない
アニメ・インターナショナルカンパニー(以下、AIC)は、制作体制が「AICデジタル」「AICスピリッツ」「AIC ASTA」「AIC PLUS+」「AIC宝塚」「AIC Build」「AIC Classic」の7系統に分かれていて、それぞれ方向性が違うアニメが制作されています。
ただ、そのアニメがどこの系統の担当になるかで、作品ごとのクオリティにばらつきが生じてしまい、結果として他の制作会社のように安定しない評価になってしまうのは事実です。時に良作になる作品もあれば、時に糞味噌に評価されて地雷臭漂う作品もあります。
なので、私自身で一定の評価をすることはできませんが、業界の間では立体的で且つデザイン化されている作画に定評があると言われているそうです。
あまり世間的な評価を聞かず、先述した京都アニメーションやシャフトなどのようにスタジオに関してそこまで言われてもなく、逆に制作管理体勢が悪いという話しか聞きません。
某作品でスケジュール管理がされていないことに激怒した上の立場の話を耳に挟んだり、「バンブーブレード」の内部情報がWinnyで流出した件などがあるので、AICに対しては一部のイメージでしかないですが、あまり良い印象とは言えません。

ガイナックス(1984年設立)
代表作:ふしぎの海のナディアトップをねらえ!新世紀エヴァンゲリオンまほろまてぃっく天元突破グレンラガンこの醜くも美しい世界パンティ&ストッキングwithガーターベルト屍姫はなまる幼稚園放課後のプレアデス
ガイナックスは、社会現象を巻き起こし、現在でも新劇場版が制作されたり、ローソンでキャンペーンが行われているなど、未だに人気が根強い…ご存知「新世紀エヴァンゲリオン」を制作したスタジオです。
原作のあるアニメよりも、「トップをねらえ!」「新世紀エヴァンゲリオン」「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」など、オリジナル作品を制作するスタジオなイメージがあります。
当初は現在のシャフトのように癖のある作画が特徴のスタジオとして認知されてきましたが、ガイナックス制作のオリジナルアニメでは、殆どの作品で各話ラストで「つづく」のテロップが挿入されたり(「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」では作品の性質上「To be continued」表記)、サブタイトルで著名なSF小説のタイトルが引用されるという伝統があります。
放課後のプレアデス」では、自動車メーカーの富士重工業(スバル)とタイアップして、魔法少女のジャンルに位置するオリジナルアニメが制作され、第1話が動画サイトのYouTubeで公開されました。
他のアニメ制作会社と比べて特筆すべきなのは版権管理とスタッフについてです。
版権管理は、元々同人出身の「DAICON FILM」とSFグッズショップの「ゼネラルプロダクツ」のスタッフによって「ガイナックス」が設立されたという、他のアニメ制作会社にはないであろう稀有な経緯があることから、東映アニメーション等とは対照的に比較的緩く、自社作品のキャラクターを用いたアダルトゲームを制作しています。
スタッフは、専属でありながら他社作品にも参加しているスタッフもいて、中でも「ONE PIECE」「おジャ魔女どれみ」「デジモンテイマーズ」「ハートキャッチプリキュア!」など東映アニメーション作品に頻繁に参加しているすしお氏は、よく知られています。

J.C.STAFF(1986年設立)
代表作:ハチミツとクローバーゼロの使い魔極上生徒会灼眼のシャナのだめカンタービレスカイガールズとらドラ!とある魔術の禁書目録とある科学の超電磁砲探偵オペラ ミルキィホームズ緋弾のアリア快盗天使ツインエンジェル〜キュンキュン☆ときめきパラダイス!!〜神様のメモ帳
J.C.STAFFは、制作アニメのクオリティ云々よりもキャスティングに対する評価を良く聞きます。
キャスティングだと、声優の日野聡さんと釘宮理恵さんを頻繁に起用していることでも知られていて、特に共演しているアニメの一つである「ゼロの使い魔」のラジオである「ゼロの使い魔 on the radio〜トリステイン魔法学院へようこそ〜」に於いては、作品のことを関係なしにまるで夫婦漫才のような掛け合いが話題になって、ファンに人気を博しています。釘宮理恵さんは今でも「緋弾のアリア」や「ツインエンジェル」等で起用されているのを見るのですが、逆に日野聡さんはあまり見かけなくなりました。
一方、肝心のアニメに関してですが、原作のあるアニメの場合は「原作レイプ(原作改竄)」と言われるほど、原作を忠実に再現せずに構成を無視してオリジナル話を混ぜてきては、すこぶる酷評が目立つ会社です。また、作画に対しても、「スタッフの作画レベルが女子中学生並み」と言われる程の酷評ぶりです。
しかし、逆にオリジナルアニメの場合は評価が高いこともあり、特に昨年秋に放送され、先日もサマー・スペシャルをレビューした「探偵オペラ ミルキィホームズ」では、当初はJ.C.STAFFというのを見て不安視する声もありましたが、当初の不安が掻き消されて一大ブームを巻き起こし、芸が細かいなどの内容面もさることながら、作画に関しても高い評価を受けた作品となりました。(DVD/Blu-rayリリース時には、作画崩壊もないのに本放送時から大幅に修正されている箇所もあるなど、スタッフの気合が感じられました。)
総じて、作品ジャンルや原作の有無によって出来不出来が激しい制作会社と言えますが、オリジナル作品に限れば強い制作会社なのではないかと感じました。



……まぁ、そんな感じで長くなりましたが、繰り返しになりますが、
制作会社のイメージによって、制作会社の特性によって、作品の評価も変わってくるんです。
だから、制作会社がどこになるかは、アニメを見る上では重要なポイントなんです。